【レポ】BMK LIVE 2023~ATTENTION Please!!!!!~ 2023年7月2日(日) 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
BMK LIVE 2023~ATTENTION Please!!!!!~
2023年7月2日(日) 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール
Text by 柴山順次
Photo by うえむらすばる
BMK、初の単独ホールライブ「BMK LIVE 2023~ATTENTION Please!!!!!~」が7月2日、名古屋は日本特殊陶業市民会館ビレッジホールにて開催された。BOYS AND MEN研究生として始動したのが2013年。時が経って駆け上がって2020年。BMKに改名し、ただただ頂上だけを目指し走り続ける中原聡太、米谷恭輔、三隅一輝、松岡拳紀介、佐藤匠のワイルドなジャーニー。そのひとつの到達点であり新しいスタートとも言えるのがこの日のライブであって、行き先は白紙、メインテーマは寄り道、だけど向かう先は同じな5人の遥かなる旅の目撃者が僕たちなのだ。
パイロット姿で登場した5人はまるで僕らを見たことのない場所まで連れて行ってくれる操縦士のよう。だけどその姿に惚れ惚れするのもつかの間、かっこよくキメたパイロットキャップをぶん投げちゃうそんなやんちゃっぷりもまたBMKの魅力だ。空を駆け抜け山を越え、てっぺんに登り超えることを堂々と宣言する「TOP OF TOP」でライブが始まったことも、今のBMKだから説得力がある。始まりは研究生、だから今があることも全然分かってる。その上で、頂上を目指すこと、優勝すること、最強になること、そして常に勝ち続けること、そう簡単じゃないと思う。いきなり言葉を選ばずに書くけれど、だってBOYS AND MENがいるから。でも、だけど、頂上、優勝、最強、常勝、そしてナンバーワンにしか興味がないんでしょ。その先で見たい景色があるんでしょ。だったら目指すしかないでしょう。その為の友情だし愛情だし温情だし人情で、それを全部持っているのが金の卵から生まれた愛すべきBMKだってこと、そんなの分かってるよ。
じゃあBMKがどんな奴らなんだって「BIG RAGE」を聴けば一目瞭然だ。5人のパーソナルな部分を覗くことが出来る側面もさることながら、なんていったって「昇る稲妻BMK」だ。パイロット衣装の裏ボタンにはきっと昇り龍と稲妻マークが入っていることでしょう。そういうところが本当に好き。だてに学ラン着てネーゼ。
ここまでの長い道のりでBMKがギュンとレベルアップしてきたこともBOYS AND MEN 研究生時代の楽曲たちを披露することでよく分かる。愛情も相性も発展させて果てなきロードを突っ走ってきたんだ。そうやって走り抜けた先の2023年。何でも規制をかけられて、やりたいことも我慢して、耐えて耐えて耐え抜いたこの数年だったけれど、かくれんぼはもう終わり。やりたいこと全部「アッカンワラべー」がいっせーのーせで解放してくれる。でもそれに気づけたことだって、やっぱりこの数年があったからだし、この期間にデビューしたBMKだからこそのリアリティがあるんだろうな。だからジグザグ上等だって言っている訳で。
雨にも負けず雷にも負けず、ビートに乗ってここまできたBMKが踊る「Beat Monser」のガオガオモンスターダンスのパワーにはビレッジホールがミュージックフロアに変身。BMKのモンスターシリーズはライブで聴くとやっぱり楽しい。歌って踊って汗をかいたメンバーがパイロット姿から学ランに着替えて披露したメドレーでは衣装も相まってBMKの歴史を追体験した感覚もあった。そうやって辿ってきた道があって、そして今があって、ここから新しい道を作っていく。「Disconnection」はBMKがBMKとして次に進むための決意の曲に感じた。誰でもない、紛れもない、かけがえのない、特別な音楽。それを探すことだってBMKの壮大な旅のテーマのひとつだと思う。そして今日、ビレッジホールでライブをしているこの瞬間に何度もBMKはすでにただひとつの紛れもない特別な音楽を鳴らしていることに気付かされる。研究して研究して研究してきた結果、たったひとつのオリジナルを掴んだ5人は揺るぎのない特別な存在だと思う。目の前だけを睨んで明日へ踏み込んだその足の力強さが証明だ。限界なんてとっくに超えてきたんだ。
「ナガレボシ」が包むビレッジホールの美しさと力強さにも心が震えた。夢見た夢が溢れて、夢見た分だけ現実も見て、それでも夢を見続けたから掴んだもの。そしてまた新たな夢を追いかけること。だからかな。5人が光そのものに見える。諦めることを諦めて、夢のど真ん中をぶち抜いて、ただ前に進む。「ヒカリフル」で5人が歌う光だって、BMKそのものだ。「好き」×「努力」が無限大だっていうならば、その方程式を体現した5人が歌う「Original Future」がもう答えを出してくれている。夢見がちって言葉は悪く使われてしまうことが多いけど、夢見た人の勝ちだし、夢見た人の価値だと僕は思っている。そしてそれもまたBMKのことを僕は指している。夢は見放題なんだったら全部見たい。夢を追っている5人を見ていたらそう強く思う。
ライブも後半に差し掛かった頃、ビレッジホールに集まった沢山のファンから「大好きです!」の声援を独り占めしたBMKの最強最高ラブソング「だって今日まで恋煩い」があまりにもキラキラしていてクラクラしてしまった。恋することって無敵で、恋することで世界を色付けて、そうやって誰かを想うことがとんでもないパワーを生むから恋って凄い。暴れ出す鼓動が抑えきれなくなったら両手で抱きしめて走り出したい。もうすっかり大人だけど、いつまでもドキドキしていたい。忘れかけていた感情を取り戻したい。それが僕の「ワイルドジャーニー」だ。そしてラストはBMKのアイデンティティともいえる「モンスターフライト」を叩きつけるBMK。ジグザグもサカサマもポンコツも上等。かまわないからそのまま上昇。そこでしか見えないものをBMKが見せてくれるって信じているから。信じられるから。どこまでもかっとばしていこう。
アンコールでは新曲「恋華火」の初披露、そしてずっと歌い続けてきた「BLAZING!!!!!」と、BMKのこれからとこれまでを感じながら胸がいっぱいになる。これからどれくらいのドラマが生まれるかな。BMKとの思い出を沢山作っていけたらいいな。「ありがとうの音。」でもBMKが歌ってくれているけれど、当たり前に目を向けたときにありがとうの本当の価値、意味に気付くのだと思う。ありがとうと当たり前は背中合わせ。その両方に向き合って、受け止めて、抱きしめていきたい。毎日に隠れている、だけど溢れているものを大事にしていきたい。感謝の気持ちを持って生きていきたい。それは初の単独ホールワンマン、ラストに「HOME TOWN」を選んだBMKに改めて教わったことでもある。おかえりって言える場所であったり、何かを掴んだとき、成し遂げたときに一番に報告したくなる場所だったり、そういう家族みたいな場所がBMKにとってはファンの存在なんだと思う。さあ、ここからBMKは何を僕たちに見せてくれるのだろう。何処に連れていってくれるだろう。5人から生まれる音楽に、アテンションプリーズ。